2019年07月29日

初めてのSTFのこと

 2019年7月27日。

 前日からの天気予報は、まさかの「台風接近」。
 よほどのことが無い限り中止にはしない「泉州タクティカルフィールド」(STF)だが、これはさすがにどうなるかと心配しつつ家を出た。
 チーム「3K」のメンバー・石川の車に便乗させてもらいSTFへと向かう。

 現地へ近づくにしたがって雲行きは怪しくなり、雨も強まる一方だった。
 それもそのはず。台風はまさに紀伊半島へ上陸しようとしており、その方角に我々は向っているのである。

 近くのコンビニで食糧を調達後、頃合いを見てSTFに入った。

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 これが全て屋内フィールドなのである。

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 セイフティーは広々としている。

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 セイフティーの中には大型の扇風機が設置され過ごしやすい環境が整えられていた。冷凍庫には自由に食べられるアイスも用意されていた。

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 仲間たちの装備。

 雨に不安を感じつつも、いつも通り準備を進める。

 STFは初めてなのでフィールド案内にも参加。説明を受けている最中も雨足は強まるばかり。始まる前から濡れ鼠、ならぬ濡れ猫と化してしまった。

片山「でも、これで『台風の中でサバゲした』って言えますね」
丸岡「どんだけ好きやねんってか」

 STFのフィールドには屋外と建物の両方があり、ゲーム内はどちらも自由に移動することができる(ルールによっては上階が使用禁止になることもある)。

 当日の参加者は合計40名ほど。
 この雨では外に出る人はほとんどいないだろう。建物内に密集することが予想された。
 こんな天気でまともにゲームできるんかいな、という不安の中、とにもかくにもゲームは始まった。

 予想通り、参加者の多くが建物に集中した。台風の影響とは言え、期せずして、チーム「3K」初のインドア戦となった。

施設内の写真

 午前中の戦闘は主にA建物で行われた。細い廊下の両側に小部屋があり、廊下の所々にバリケードがある。
 小部屋は一部で壁に穴があって繋がっていたり、窓が開いて外が見えるようになっていた。2階からはアウトドアフィールドが見渡せる。

 スタート地点は各階の両端にあり、互いに両端を目指して進むことになる。一本道のためすぐに敵と遭遇し、熾烈な戦闘が開始された。

 まずアウトドアと異なるのは「音」だった。屋内のため音が響きやすく、交戦距離が短いこともあって、壁やバリケードに着弾する音が半端なく大きい。とても激しく撃ち込まれているように思われるのだ。セミオート戦にもかかわらず、フルオートで撃たれているのかと錯覚するほどだった。

 もうひとつは「暗さ」。天候が悪かったせいもあるだろうが、昼間とはいえ屋内は薄暗い。タクティカルライトを使っている参加者も多く、正面から照らされると完全に目を眩まされ、何度もヒットされてしまった。やはり屋内でライトは強い。

 そして狭いためにライフルの取り回しは難しかった。右撃ちと左撃ちの切り替えを頻繁に行うことになり、長さもあって扱いにくい。私は早々にライフルを置き、ハンドガンに持ち変えた。

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 今回からハンドガンにロングマガジンを採用し(1本だけ)、ハンドガン用のマガジンポーチも導入した。
 ロングマガジンは、多少重くなるものの、弾数に余裕を持てたのは気分的に楽だった。小回りも利くし、積極的に動きやすくなる。その利点を大いに感じることができた。

 それでも屋内では攻めあぐねた。
 廊下は一本道のため、前に出るしかない。しかしバリケードの向こうには敵がいると分かっているので、下手に出ると撃たれる。だから動けない……
 そういう膠着状態になることがしばしばあり、どうすべきか迷った。

 こういう場所でこそグレネードが欲しくなった。実際にゲーム中、2回ほど投げ込まれた。幸い物影に隠れたのでヒットにはならなかったが、やはりみんな考えることは同じである。

 建物の周囲もフィールドなので、雨を覚悟で「裏取り」を試みた。当然、外にも敵はいる。開いている窓の前を通過するときは警戒せねばならない。中の敵を攻撃できる機会でもあるが、逆に中からも狙われる。
 途中のバリケードに潜んでいた敵にヒットされてしまい、私の裏取りは失敗した。しかし成功したグループも多かったらしい。

 中と外の両方、そして上階からの撃ち降ろしも警戒せねばならない複雑な戦況の中、多かったのが「同士撃ち」である。
 小部屋の中の味方を敵と誤認して撃ってしまったり、裏取りに成功して反対側から来た味方を撃ってしまったり、という場面が多々あった。
 私も何度か味方に撃たれたり、誤って撃ってしまったこともあった。

 本来であれば、無線機で連絡を取りながら行動すればこういうことは避けえたのだろうが、誰もが無線機を持っているわけではないし、初対面の人同士で連携というのは困難を極める。チーム「3K」のようにフィールド初心者の人もいる。こればかりは仕方ない事故であろう。

 そして、屋内に参加者が集中したため、前に出ようにも既に味方が前にいるために後続が詰まってしまうということが多かった。こうなると、前の味方がヒットされて後退するまでは前に出られず、待ち時間のような状態ができてしまう。これは少しつまらない状況と言えた。前線の位置も分かりにくくなる。
 晴れていれば外から回り込んで、という行動も取れるが、雨ではそういう気にもならない。これも天候により発生した仕方ない状況かもしれない。

 ハンドガンを中心として戦い、午前中は終了。

 午後からはなんと天候が回復。台風も遠くへ過ぎ去り、雨は止んだ。これなら外でも戦える!
 メインアームをライフルに戻し、昼からは屋外を中心にゲームに挑んだ。

 STFのアウトドアは市街地フィールドとなっている。同じ形式のフィールドはラグーンシティでも経験済み。ひとまず「攻めの気持ち」を忘れず前に出る。

 このアウトドアも困難を極めるものだった。

 まず、立ち位置によっては建物の2階から丸見えなのである。2階からの撃ち降ろしで何度もヒットされてしまった。

 外からだと中の様子はとても見にくい。中の方が暗いので、人影が分かりにくいのだ。そして少し下がられると、もう姿が見えない。これは厄介なことだった。
 そういえば、私も午前中に2階の窓から何人かをヒットしている。全く逆の立場になってしまった。

 そして、幾重にも設置されたバリケードが視界を塞いだ。
 ひとつのバリケードを警戒しつつ超えると、その先に次のバリケードがあり、その先にもまた次のバリケードが……という状態で、なかなか射線を通すことができない。
 そうこうしているうちに異なる方向からヒットされる、ということが多くあった。

 STFの地図や写真を見ると、アウトドアは非常に広々として見える。交戦距離も長いように見える。しかしバリケードの数が多く、交戦距離は思いのほか近い。体感ではキャンプ大原と同じくらいか、場所によってはそれ以下のようにも思われた。

 それでも絶対的な敷地面積はキャンプ大原よりも広いので、それに比例して設置されているバリケードの数も多い。数が多いということは、それだけ警戒すべきポイントが増えるということでもある。バリケードの向こうから飛び出してきた敵にヒットされる、という出会い頭の遭遇戦になることが多かった。

 バリケードの位置関係を把握すれば対応できるのだろうが、初めてではそうもいかない。途中から索敵に力を入れてみたものの、少しくらいではどうにもならない。

 STFの難しさを堪能し、その日のゲームは終わった。

 結果からみれば、STFの独特のフィールド構造に終始苦しめられたゲームとなった。
 この日の戦果は6~8キル程度。初見にしては良い方だと考えることにする。

 それなりに経験者である我々でさえ困難だったので、おそらく初心者にはかなりきついのではなかろうか。
 交戦距離が総じて近く、撃ちこまれる痛みもアウトドアよりあるように思われた。サバゲーがほぼ初めての方には、特に最初の場所としては、あまりおすすめできないように思う。

 しかし、もしSTFでうまく立ち回れたら、キャンプ大原でももっと強くなれるだろう。

 今後のサバゲー活動にも大きくためになる経験となった。

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lifeisgunfire at 00:30│Comments(0)フィールドレポート 

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プロフィール

遠野明

2019年1月より再始動した大阪在住のアラフォー・サバゲーマー。チーム「3K」所属。
メインアームはM4パトリオットHCとHK416C。サイドアームはBM-9とM9A1。
サバゲー以外なら猫とSF小説と映画が好き。

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